ものごとには光と影が存在する

日々雑感

歴史的背景や環境などと合わせて観るとさらに楽しめる

全国1億2千万人の土木ユーザーの皆さんこんにちは。
そして、安全、安心、快適な生活を支えてくれている土木業界の皆さん、ありがとうございます。
広告業界出身の土木偏愛者、土木広報プロデューサーのおがしんです。

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若い方たちの認知度は低いかもしれませんが、「黒部の太陽」という映画をご存じでしょうか?
正直、リアルタイムでご覧になったのは私より上の世代だと思います。
石原裕次郎さんと三船敏郎さんのダブル主演の映画で、当時世界屈指の難工事と言われた黒部第4ダム建設を描いた作品。
土木偏愛者としては必ず観たいと思っていた作品ですが、長らくDVD化されていなかったこともあって、なかなか観る機会がなかった。
ダメ元でAmazonのプライムビデオを立ち上げて検索してみたら、なんと!いつの間にかレンタルで観ることができるようになっているではありませんか!
ということで、早速ポチッとしました。

石原裕次郎さんの若くてカッコイイこと。
僕ら世代は子どもの頃にテレビで観ていた「太陽に吠えろ」のイメージが強いです(笑)

この作品ですが、黒部第4ダム建設を小説にした「黒部の太陽」が原作になっています。
それを映画化して公開されたのが1968年。
僕が生まれる前です(笑)
映画を観てもらえるとわかりますが、撮影、製作のスケール感が半端ないです。
熊谷組の工場内にセットをつくって撮影したらしいです。
土木自体がそうですし、黒部ダムは特にスケールが大きいけど、撮影・製作のスケールもデカいな~。

実はこの頃の日本の映画界は、大手映画会社で協定みたいなものが結ばれていて、ある意味「寡占状態」だった。
日活から独立した石原裕次郎さん、東宝から独利した三船敏郎さん、お互いが力を合わせ、いろんな根回し含めて行った末に、なんとか公開までこぎ着けた。
映画というコンテンツを独占したい大手からいろんなところに圧力がかかっていたみたいです。
そのあたりはいかにも昭和っぽいと言えばそれまでですが。。。
しかしながら、時代が進むにつれてテレビという新しいメディア、コンテンツが台頭してきた影響で、映画産業の力に陰りが見えてきます。
それまで協定によって、俳優さんの出演を制限したりしていた映画会社ですが、映画というコンテンツの影響力が低下したせいで、そうも言っておられなくなり、次第に協定は自然消滅していった。
1970年代になると、各映画会社が抱えていた人気俳優さんたちはテレビにも出演しだし、映画会社関係なくいろんな映画に出演するようになっていく。
現在だと当たり前に感じますが、当時はそんな時代だったんですね。

どんな業界でも、時代の変化によって変わらざるを得ないってことですね。
そんな背景なんかも考えながら観ると、また違った感じ方ができるかもですね。

土木のスケール感は十分伝わる

黒部第4ダムは、今でこそ観光名所のひとつになっています。
私も数年前に一度見学に行ったことがありますが、まぁ半端ないスケール感です。
実物と映画の両方を観て思うのは、「よくもこんな場所にダムつくれたよな」という驚きです。
黒部の太陽で描かれているのは、ダム本体の工事というよりも、そこに行き着くまでに必須だったトンネル工事の方です。
関電トンネルと言われる工事用のトンネルです。

壮絶な現場だったのが、映画を観ていても伝わってきます。
いや、映画であれくらいの表現だから、実際は想像を絶する、本当に命がけの工事だったんだろうなと。
この黒部第4ダムの建設は、当時日本の運命をかけたと言っても過言ではない大工事。
この発電用ダムのおかげで、関西の電力事情が安定し、後の高度経済成長に繋がったひとつの要因です。
土木事業のスケール感や価値は十分に伝わってくる映画だと思います。

それと同時に今の時代では考えられないようなことも描かれています。
あまり書くとネタバレするのでやめておきますが、現代でこんな危険な工事をやっていたら、おそらく社会問題になっていると思います(笑)
あくまでも戦後間もない「復興第一」の時代のことですが、そのあたりは加味してご覧ください。

高度経済成長に寄与したという「光」の反対側には、きっと「影」の部分もあるんだろうなって思います。
200名以上の方がこの工事で殉職されたと言われています。
現地には今のちゃんと慰霊碑があります。

危険を承知で、関西の電力安定のために建設を決めた関西電力。
そしてその工事を請け負った熊谷組をはじめとする土木会社。
さらには下請けとして現場で奮闘した会社や人々。
全ての人たちが掛け値なしの「使命感」で完遂した工事だったんじゃないだろうかと思いながら観ていました。

今の時代の感覚だと、「え?マジ?」ってことがたくさん出てくる映画ではありますが、是非一度この作品を観ていただいたうえで、黒部第4ダムを実際に見に行って欲しいなって思います。
戦後復興を支えた先輩たちに感謝の念をいだきながら。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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広告業界出身の土木偏愛者。好きが高じて日本初の「土木広報専門会社」を設立。
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◎記事を書いた人

小川慎太郎(通称:おがしん)/土木広報プロデューサー

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防災士/公益社団法人 土木学会会員/一般社団法人ツタワルドボク理事/土木の魅力を発信するwebマガジン「ツタドボpress365」編集長/エクスマ公認SNSアドバイザー/エクスマレプリカンズ1期/エクスマ塾100期/47都道府県でゴルフすることが夢/芥屋ゴルフ倶楽部/保護猫ちゃん2匹/温泉ソムリエ/最後の晩餐はメロン希望/

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