「広報」と「広告」を混同しない

土木広報

これを理解できると発信の質が変わる


ブログ100記事チャレンジ #015

一見、同じように聞こえる「広報」と「広告」ですが、実は根本的なところが異なります。
この違いを理解しているかどうかで、発信の質とその成果が随分変わってきます。

こんにちは。
広告業界出身の土木偏愛者、おがしんです。

土木業界でも発信を強化する企業や個人が増えてきたように感じます。
私が「土木業界ももっと広報活動に力を入れた方がいい!」と言い出した10年前は、「広報?なにそれ?」という世界だった。
それからすると、ほんとうに嬉しい限りです。

発信が増えてきたこと自体は大変嬉しいのですが、もう一歩次のステージに行くと考えた場合に、「広報ってなんだ?」、「広報と広告は違うのか?」というところを意識することが大切だと想います。
みなさん、どうでしょうか?考えたことってありますか?

いろんな企業さんの発信を見たり、コンサルティングをやっていると、この違いをもっと意識した方がいいなと思うことがしばしばあります。

広報と広告という言葉はなんとなく似ているけど、どこがどう違うのか?
それを理解しているか否かでどういう差が出てくるのか?

まず、どう違うのか?についてですが、ざっとこういうことになります。

広報

目的:ステークスホルダーとの関係性の構築
手法:自社起点、自社メディアでの発信
信頼:第三者経由で取り上げられると増大
時間:長期的な視点で取り組む必要性
お金:莫大な予算は必要ない

広告

目的:販売や行動の促進
手法:メディアの広告枠を購入
信頼:広報に比べると低下傾向
時間:瞬間的にリーチを増大させられる
お金:継続するには予算的体力が必要

随分異なると思いませんか?
特に目的のところ。
広報は、「関係性の構築」が主たる目的になります。
すごく簡単にいうとコミュニケーションととること。さらに簡単にいうと、「お客様・関係者と仲良くする」ことです。
広告は、お金を使ってメディアで露出し、商品を購入してもらったり、集客したり。
極端にいうと、関係性なんかよりも瞬間的な売上を獲得することが目的になるわけです。

例えば、ホームページやブログ、SNSなどを活用して、広報活動をやって行く場合も、この違いを抑えておく必要があります。
特にSNSは元来、広告宣伝ツールではありません。
あくまでもコミュニケーションツール。関係性を構築しやすくするための便利なツール。
採用活動を成功させる目的で使用していたとしても、募集要項などを垂れ流ししていては期待するような反応はありません。
自社の魅力を知ってもらい、興味を持ってもらうために、その過程としてフォロワーさんとの関係性をつくっていくために運用するという視点が大切。
「仲良くしたいな」と思っている相手に、関係性も構築できていない状態で、いきなり「うちの会社で一緒に働こうよ」と言ったところでどうでしょう?
素性もわからない人からいきなり商品売り込まれて、あなたはその商品を購入しますか?
それと同じことなんですよね。

ホームページであれ、SNSであれ、ブログであれ、発信する内容を考える際に、伝えたい相手とどうやったら仲良くなれるかな?そのためにどんな情報を伝えると喜んでもらえるだろう?
そんな視点を持って広報活動に取り組んで欲しいなって思います。

広報って時間がかかります。
その場その場で一喜一憂せずに、地道にコツコツとそして楽しみながらやっていくことが必要ですよ。

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    ◎記事を書いた人

    小川慎太郎(通称:おがしん)/土木広報コンサルタント

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