その距離14kmに詰まっていること

土木広報

豊予海峡ルート実現にかける想いと意義を感じた

全国1億2千万人の土木ユーザーの皆さんこんにちは。
広告業界出身の土木偏愛者、土木広報プロデューサーのおがしんです。

人吉でのチャリティコンペが終わった翌朝、車で大分まで移動して、日本青年会議所(JC)が主催する「国土強靱化シンポジウム」に参加(聴講)してきました。
孤独な約4時間の長旅でしたが、わざわざ行って良かった!と思った。
やっぱり土木って夢と愛で満ちあふれた世界だと感じることができた。
今回は、そのシンポジウムの内容や感想を簡単に書いてみたいと思います。

このシンポジウムは、豊予海峡ルート早期実現に向けたひとつのアクション。
この規模のプロジェクトになると、業界だけではなく、政治・行政はもとより国民、地元市民の機運を盛り上げ理解を醸成しないと実現しない側面があります。
そのためには様々なアプローチがあると思いますが、このようなシンポジウムを開催することもひとつのきっかけ。

豊予海峡ルートって?

大分県の佐賀関半島から愛媛県の佐田岬半島を繋ぐ全長約14km。
近くて遠い九州と四国を繋ぐとても重要視されているルートです。
高速道路だとすると、たった10分程度で着いてしまう距離。

このエリアは歴史的な関係性もあり、方言も似ていたりします。
それくらい近い存在であるにも関わらず、現状では海運しかなく、まさに近くて遠い状態になっています。

つながったら、おもしろくない?

もしこの豊予海峡が繋がったら、どんなことが起こるのだろうか?と考えるとワクワクして仕方がない。
観光や流通など経済的な側面が盛り上がることは容易に想像つきますし、文化的な交流ももっと盛んになるでしょうね。
シンポジウムのパネルディスカッションの中でも話が出ていたのですが、重要な視点として「防災ネットワーク」ということもあります。
関門ルートが途絶えると、九州と本州は分断されてしまいます。
その際に豊予海峡ルートがあると災害救助や復旧作業などの人流、物流に大いに貢献します。

当日の配付資料より

東九州自動車道も開通しましたし、四国の高速道路網も整備が進んでいます。
このあたりが一帯として整備されてくると、国土全体で俯瞰したときに、強靱で有効的な国土利用が可能になるんだろうと思います。
道路や鉄道などの交通インフラって、経済、文化、防災...様々な側面で非常に大きな役割を果たしていると改めて感じました。

印象的だった「夢」と「技術」の話

当社顧問でもある松永博士がモデレーターとしてパネルディスカッションに参加されていたのですが、その中でのお話がとても印象的だった。
ディスカッションには地元の大分高専の学生さんも参加されていた。将来の技術者たちです。
彼らは3年生ということだったので、17歳とか18歳くらい。
今の若い人、ほんとしっかりしていますね。大きな会場の舞台に登壇しただけで動揺しそうなものですが、堂々としっかり自分の意見、考えを話していました。
彼らは、「このような大きく夢のあるプロジェクトに携わりたい」、「そのためにもっと勉強して技術を磨きたい」と口々に言います。
こんな息子がいたらいいのに・・・って思うくらい立派でした(笑)
いろんな人の「夢」が詰まったプロジェクトになって欲しいし、完成した後もいろんな人の「夢」が往来するようなインフラになって欲しいですね。
若い技術者、これから技術者を目指す若者のためにも、業界や国全体として「夢」、「ロマン」を大切にして欲しいなと強く感じました。

そして技術のお話も興味深かった。
技術の発展や継承は、「実際に実現する場」が必要だということ。
確かに!
なんにしてもそうですが、その機会がないと新しい技術も生まれてこないし、その継承もできない。
いくら橋の設計をしたところで、実際のプロジェクトがない限りは具現化しません。

皆さんもよくご存じだと思いますが、伊勢神宮の式年遷宮。
20年に一度のスパンで、社殿を建て替えますよね。しかも、すぐ隣の空き地に。それを繰り返しています。
考え方によっては、「それ、無駄じゃね?」って言えるかもしれませんよね。
実は、式年遷宮は「宮大工の技術継承」という側面があるんです。
20年おきに建て替えることで、20歳の時に教わり、40歳の時に中心的役割になり、60歳の時に教える立場になる。
それを繰り返すことで技術を発展、継承していっているんですね。

一見「無駄」とか「非効率」とか思えることでも、意味があったりするわけです。
エクスマの考え方と似ているなぁ(笑)

豊予海峡ルートは、実現を目指している段階で、今はまだトンネルなのか橋なのかは決まっていません。調査・検討段階とのことでした。
コストだけならトンネル優位だそうですが、個人的には「豊予海峡大橋」が架かることを期待しています。
だって、トンネルより橋の方が単純に観に行きたくなるから。
私が生きているうちに開通して欲しいぞ~。
そして、機運を高めるためのイベントだったり広報活動だったり、何か仕事でお手伝いできると嬉しいな。

知らないことはその人にとって存在しないのと同じ

実は、このプロジェクトのこと自体を知っている人は少ないのが現実。
だからこそ今回こうやってシンポジウムを開催したのだと思いますが。。。
良いも悪いもまずは「知ってもらうこと」から始まる。
だって、知らないとその人にとっては世の中に存在していないのと同義だから。
今回のシンポジウムをきっかけにして、地元住民はもとより、四国、九州そして全国の人にプロジェクトを発信し、もっともっと知ってもらうことが大切ですね。

豊予海峡ルートの14kmには、「みんなの夢」と「技術の発展・継承」、そして「持続可能な国土デザイン」が詰まっています。
是非実現されることを願っています!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

それでは皆さん、本日もご安全にー!

◎記事を書いた人
小川慎太郎(通称:おがしん)/土木広報プロデューサー

『全国1億2千万人の土木ユーザーに届く広報を』

広告業界出身の土木偏愛者。好きが高じて日本初の「土木広報専門会社」を設立。
広告・イベント業界25年の経験とノウハウで、土木の価値と魅力を伝えるお手伝いをしています。(WEBサイト構築、SNS運用、動画配信、デザイン、イベント企画、映像制作など)

防災士/公益社団法人 土木学会会員/一般社団法人ツタワルドボク理事/土木の魅力を発信するwebマガジン「ツタドボpress365」編集長/エクスマレプリカンズ/エクスマ塾100期/47都道府県でゴルフすることが夢/芥屋ゴルフ倶楽部/保護猫ちゃん2匹/温泉ソムリエ/最後の晩餐はメロン希望/一般社団法人日本オンラインフィットネス協会理事

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