9月1日は「防災の日」。
ニュースや学校行事で耳にしたことがあっても、「なぜこの日なのか?」と聞かれると答えられない人も多いかもしれません。
実は、この日が定められた背景には、関東大震災という大災害と、地震研究を切り開いた人物の存在があります。
そしてもうひとつ忘れてはならないのが、防災と土木が切っても切れない関係にあるという事実です。
この記事では、防災の日の由来、地震学の父・大森房吉の功績、そして私たちの暮らしを守る土木の力について、シェアしてみたいと思います。
こんにちは。広告業界出身の土木偏愛者、おがしんです。
防災の日は「忘れないための日」
1923年9月1日、午前11時58分。相模湾を震源とするマグニチュード7.9の大地震が関東地方を襲いました。これが「関東大震災」です。
揺れそのものによる被害も大きかったのですが、さらに追い打ちをかけたのが大規模な火災でした。当時は木造家屋が密集し、昼時でかまどを使っていた家庭も多かったため、火の手が瞬く間に広がり、街を焼き尽くしました。
この震災による死者・行方不明者は10万5千人以上。想像を絶する数です。
「二度と同じ悲劇を繰り返さないように」――その思いから、1960年に政府は9月1日を「防災の日」と定めました。毎年この日には防災訓練や啓発活動が行われ、私たちに「備えの大切さ」を思い出させてくれます。
地震学の父・大森房吉とは?
関東大震災よりも前、日本の地震研究を大きく前進させた人物がいました。それが「地震学の父」と呼ばれる 大森房吉(おおもりふさきち) です。
大森は東京帝国大学(現在の東京大学)で学び、日本初の実用的な地震計を開発しました。
当時は「地震は天罰だ」とか「地面の下に巨大な生き物がいるから揺れる」など、科学的根拠のない説が信じられていた時代。
そんな中で大森は、「揺れを測る」「震源を特定する」といった科学的アプローチを導入しました。
彼の研究は世界的にも評価され、日本の地震学を国際レベルに押し上げました。また、大森の指導を受けた弟子たちは、その後の地震学や地震工学を担い、日本の耐震技術の発展へとつながっていきます。
つまり、大森がいなければ、現代の「揺れに強い街づくり」や「地震に備えた土木技術」は、ここまで進んでいなかったかもしれません。
ショート動画「日本人初のノーベル賞を蹴った男」
土木がなければ防災は語れない
では、防災における土木の役割とは何でしょうか?
まず思い浮かぶのは 耐震構造 です。
道路や橋、トンネル、ダム、港湾施設など、日本の生活を支えるインフラは、すべて地震に耐える設計が求められています。
たとえば阪神淡路大震災では高速道路の高架が倒壊しましたが、その教訓を踏まえ、現在では補強工事や設計基準の見直しが進みました。
また、地盤改良も重要です。地震の揺れや液状化現象に強い地盤をつくることで、建物の倒壊やライフラインの寸断を防ぎます。さらに、津波から街を守る防潮堤や避難路の整備も土木の仕事です。
つまり、私たちが安心して暮らせるのは、見えないところで土木技術が支えてくれているから。普段は当たり前に感じる道路や橋も、いざという時には命を守る「盾」になるのです。
土木の見方を変えてみる
防災の日は、「備えを確認する日」であると同時に、「土木の力を思い出す日」でもあります。
地震学者・大森房吉の挑戦や、土木技術者たちの努力を知ると、「防災=人と技術の積み重ね」だと感じられるはずです。
普段の生活の中では、土木を意識することはなかなかありません。
でも、防災の日をきっかけに少しだけ視点を変えてみてほしいなと思います。
9月1日は、ただの「記念日」ではありません。
大震災の記憶と学びを未来につなぎ、防災を支える土木の大切さを思い出す日です。
ぜひ今日、家族や同僚と「防災について話す」ことから始めてみてください。
そして街を歩くときには、土木の存在に少しだけ目を向けてみてください。
「あ、これが自分の命を守ってくれるんだ」と気づけるはずです。
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