航空会社のマーケティング

マーケティング

年始に羽田空港で航空機事故が発生しました。
原因は定かではありませんが、今後のためにも原因究明と対策はしっかりして欲しいなと思います。

この記事では、事故のことではなくて、航空会社のマーケティングについて、簡単に私なりの考察をしてみたいと思います。

あまり差異のない選択肢

日本の国内線だと、JALとANAが代表格です。
若干の路線の違いなどはありますが、主要な都市にもだいたい就航しています。
使用機材もほぼ同じ。
便数や料金も大差ありません。
JALよりANAの方が早く到着する!なんてことも基本的にはありません。
例えば、福岡ー羽田だとすると、金額も便数も時間帯もだいたい同じ。
この場合になにが選択理由になるのでしょうか?
たまたまディスカウントチケットが買える状況だったとかはあるかもしれませんね。
このような特殊事情がない場合は、目に見えて明らかな選択理由ってないにも関わらず、必ずどちらかを選択しているわけです。
これって、他の分野でもよく経験することです。
例えばコンビニなんかも、セブンイレブンでもローソンでもファミリーマートでも、そんなに大差はないと思いますが、なんとなく「好み」みたいなものってありませんか?
ちなみに僕はセブン派。
明確な理由は特にありません。ただなんとなくセブンがいいなって思うから…という程度。
といってもお茶かコーヒーくらいしか買わないけど(笑)

人は感情で左右されることが多い

話を航空会社に戻すと、選択理由のひとつにマイレージサービスがあると思います。
JALのマイルを貯めている人はJAL、ANAのマイルを貯めている人はANAを優先的に選びます。
これは具体的なメリットがあるのでわかりやすいと思います。
貯まったマイルで航空チケットが買えたり、ポイントによってステータスを取得してラウンジが使えたりします。
これってマイレージサービスを通じて、顧客との関係性を構築しているということ。
いつもご利用いただいている常連客は徹底的に優遇しますよということです。
優遇されると利用者は、めちゃくちゃいい気分になります。
利便性や経済性でメリットを教授できる部分もありますが、それよりも感情的な部分が満たされることに価値を感じることが多い。
少なくとも僕はそうです。
・ラウンジが利用できてゆっくりした気持ちなれる
・預けた荷物が誰よりも早く出てくる
・専用のゲートから入ることができる
・優先的に先に機内に入ることができる
・搭乗時に「いつもありがとうございます。」と言われる
これって冷静に考えると、そんなにたいそうなことではないのですが(笑)、この特別感や優越感によって感情が満たされるのです。

あの施策は秀逸だった!

私は、ずーっと昔からいわゆるJAL派でした。
2016年からJALが始めた「都道府県シール」ってご存じでしょうか?
JALに登場した際にCAさんからもらえるシールです。
で?って感じですが、このシールは、CAごとに出身地や縁のある都道府県のシールを持っていて、それをお客さんに配る。
お客さんは、それを47都道府県全てを集めることが楽しみになる。
コンプリートすると、シールを保管するためのオリジナルアルバムがもらえる・・・。
そんな仕組みのキャンペーンでした。
これ、私も集めてました(笑)

ちなみに1回コンプリートしてアルバムももらいましたが、全国には何回もコンプリートする強者がいたり、シールがメルカリに出品されていたりと、いろんな現象が起きたほどです。
「こんなの集めてどうすんの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、こいうのって、集め出すと止まらなくなっちゃうんですよね。
コレクション心理というかコンプリート欲求というか・・・。
ただこのキャンペーンというか施策の本質は、「お客様との関係性」を構築することにあります。
シールをもらうにはCAさんにお声がけするのですが、その際に会話が発生します。
例えばそこで同じ出身地の方だったりすると、一気に話が盛り上がったりもします。
もともと人口の少ない都道府県のシールなどは、レアシール化しました。
四国とか佐賀とか三重なんかも結構レアでした。
レアシールを持っているCAさんがいたりすると、それだけで話が盛り上がったり。
ついには仲間うちでシール交換して、不足している都道府県を補完し合ったりして楽しんだ。
もうね、ここまで来ると完全遊びの領域です。
JALがどこまで狙っていたのかは定かではありませんが、お客様とのコミュニケーションを強化したいという当初の目的は十分達成されたと思います。
結局、コロナの影響で中止するまで、第二弾、第三弾と継続してましたから、相当な反響だったんだと思います。

物質的なお得みたいなことも有効だと思いますが、それ以上に感情とか気持ちに働きかけるようなことは大切だなと感じます。
単純な割引よりもお客さんと仲良くなって、一緒に楽しむ。
そんな発想でマーケティングを考えていくと予想以上の成果が出るかもしれませんよ。

ずーっとJAL派だった私ですが、今年はANAのステータスチャレンジ(俗に言う「修行」)やっています(笑)

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